ピピピピピの爽やかな日記帳

ピピピピピの爽やかな日記帳

親の経営コンサル会社で働く20代後半、社内ニートの話

ピピピピピの爽やかな日記帳

ブスな知人がリクルート整形に手を出した 失敗だらけの就活と婚活を成功させる目的で

 大金を払って顔を改造してでも、好みの企業へ入り込もうとすることをリクルート整形という。
 整形大国である韓国みたいに、大々的に何百万も費やす人は少ないけれど、片目5万円で二重にするような、プチ整形をする人は、男女問わず沢山いる。

結論を先に書くと、ブスは中身を磨いても、まともに見て貰えない

 これは疑うことすら許されない社会問題である。
 整形手術の全てに保険が適用されるべきだ、と喝破したくなるほどに。

『魅力的でない人が書いた履歴書は低く評価される*1』と言われているように、ブスというだけで、あらゆる面においてマイナス評価が下されるのは、世の常だ。

 応募者が殺到するような人気業種なんかだと、ブスは門前払いされる。

 現在は過去最高の売り手市場といわれているが、中小企業の事務職なんかだと希望者がいくらでもいるのに加えて、好き嫌い採用というか、直感で一生懸命働いてくれそうな子を優先して選びがちだから、強度の高いブスは弾かれやすい。
 反対に小売業など、慌ただしく動く必要のある企業であれば、難なく採用される。

 だから戦略的なブスは、可愛い子は円の中心に集まるという法則を元に、あえて町外れにある会社の面接を受ける。
 中心から遠ざかるほどに美貌格差は低下し、ブスの採用率が上昇するからだ。

 これは僕の妄言ではなく、数十年ブスを貫いた子に直接聞いた経験談である。

 つまりブスは、総合的に考えて素早く動かなければ、壮絶な損ばかりの人生を歩むことになりやすい。

 今回の記事では、そうしたブスを取り巻く冷えた環境に耐えかね、可愛い子へと変貌を遂げた元ブスの実話を書かせて頂く。

23年間ブスに苦しんだ女子が、金と勇気で人生を一変させた

 数年来の知人である田嶋(たじま)が、深刻なブスに悩んだ末、美容整形に手を出した。

「輝いている人、一番嫌い」が口癖の、卑屈なフリーターである。
 他人の笑顔を見ると、他のどんなことよりも不快な気分になるらしい。

 アシンメトリーを取り入れたゆるふわショートボブなど、洒落た髪型にしていたりはするんだけれど、一重で目つきが悪いというのもあって、清潔感のないホオジロザメというか、世を拗ねたゴロツキみたいな雰囲気を醸し出している。

 田嶋は以前から、有名どころの美容外科に足を運んではカウンセリングを受けていたようだが、失敗のリスクが脳裏にこびりついていて、心を決めるのに数年の歳月を費やしたと語っていた。
 たとえば二重にする手術をしてひとまずの成功を収めても、原因不明の頭痛に苛まれたり、陽光に照らされると、鼻に挿入したシリコンプロテーゼがうっすら透けて、整形が容易にバレてしまうなんてことがあったりするようだ。

 それでも、田嶋は力強い一歩を踏み出した。

「わたしはのっけからドブスだから、失敗してもドブスが継続するだけ。怖い物なんてありはしない」

 鏡面に映るブスな自分に対して、堂々たる言い切りを、来る日も来る日も続け、ブスからの旅立ち意欲を燃え盛らせ、バックドラフトさながらの勢いで初整形を果たしたとのことだ。

 とりわけ目と鼻に力を注いだようで、「その二点だけでも印象は百八十度変わるんだな」と整形後の実物を目撃した僕は、驚愕した。

 出来上がりの顔を評価するならば、ちょっと影のある可愛い子、もっと言うなら、バンドマンに弄ばれている清楚系ギャルみたいだなと思った。
 さほど頑張らなくとも、男に困らないフェイスレベルになった。

 美容業界も進化していて、以前はヒアルロン酸注入が話題になっていたけれど、今やPRPという自分自身の血液から抽出した血小板によって、肌に若々しい張りをもたらす方法があると聞いた。
 その他にも、下まぶたの裏側から治療をすることで傷跡を一切残さなかったり、メス不要のメニューがあったりするから、取っつきやすいとのこと。

 こうして卑屈なブスだった田嶋は、ブスの皮を剥ぎ捨て、卑屈な可愛い子に激変した。

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ブス時代の田嶋が、頻繁に口にしていたセリフをまとめておく

・「ブス専のイケメンだっているし、きっとあなたを好きになる人が現れるわ」じゃねーよ
 マニア層の彼氏なんて求めてねぇんだよ。きめぇオタクは失せろ。
 わたしだって正常なイケメンに、いーこいーこされてぇよ。

 

 ・可愛い癖して貧困とかてめぇのせいだろ
 メイド喫茶でも時給1500円以上、おさわりのない健全なキャバクラも時給2000円以上稼げるよね。
「キャバ嬢も大変なんだよー」じゃねぇだろうが。あんたはドブスの気持ちになったことが一度でもあんのかよ
 ドブスは毎分毎秒、気を遣わなきゃ、ゴミ扱いされんだよ。
 可愛い女に苦労なんてねーんだよ。バーカ

 

・ブサイクとは、天地がひっくり返っても付き合わない
 そんな泥仕合みたいな、陰気なカップルは嫌だ。
 罰ゲームかよ。

 

わたしみたいなドブスを結婚式に呼ぶ奴はクズ
 幸せの絶頂を見せつけようってんでしょ?
 惨めなわたしを晒し者にしながら。
 おまえらの幸福アピールで、不幸になる人間のことも考えろよ

 

わたしの被害妄想は事実になる
 ドブスのわたしが思いつく辛いことは、大体、数週間以内に実現する。

 

わたしの不幸せは、真実

 これらを見て、田嶋についてどんな印象を持っただろうか?

 田嶋の発言を読んで、性格が悪い子だと決めつける人もわんさかいるだろうが、そうした裁きの姿勢が、ブスの幸福度を低下させてしまっていることを忘れてはならない。

 どんな人間であれ悪感情は持つものだし、たまには罵詈雑言コミコミの嘆かわしい愚痴を吐き散らすことがあるはずだ。
 この社会は、ブスがたった一度悪態をついただけで、「心の捻くれた高慢な存在だ」と確定してしまう傾向を持った人々でごった返している。

 であるから田嶋曰く、「ブスは、2ちゃんねるを皮切りに、ニコ動とかツイッターとか、匿名で暴れられるサイバー空間でしか、羽を伸ばせない。現実ではいつも周囲に気を配って、過度な緊張を強いられている」とのことだ。

 断言しておくと、ブスは誰よりも強くモラルを守らないと、ただちに、「心まで汚い人」認定されてしまいやすい。

 そうした諸々の世間圧力に押しつぶされそうになったから、田嶋は脱獄するように整形外科へ向かって、猛然と走り出したのだ。

雑記・読んだ本

キレイならいいのか――ビューティ・バイアス (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

キレイならいいのか――ビューティ・バイアス (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

 

美しさはただ皮一重のことかもしれない。だが、それで十分だ。うわべだけでも美しければ、途方もなく得をするのだから。

『服装とは一つの意見表明だ』なんて言ったのはだれ? そんな生易しいもんじゃないわ。服というものは一時も黙っちゃいない際限もなくがなり立てるのよ。着ている本人が意識しようとしまいと、いろんな主張をね。

 このように書いているのだけれど、顔面こそが最大のファッションという考え方も出来るから、なりたい自分に近づく為に、前向きに整形を検討するべき時代になっていると思う。

 僕の身近にいたブスこと田嶋が実際に整形をして、生き方がまるで変わったのを目撃したことによって、一つ気付いた。

「顔が悪いなら、中身を磨きなよ」という考えが世間にはあるが、これほど残酷な命令は他にない

 なぜなら、人は人の外面を見て、中身を空想し、あたかもそれが絶対現実であるかのように決定付けてしまうからだ。

 田嶋の例もそうで、つい最近までの彼女はドブスだったから、皮肉の効いたジメジメした女子としか思わなかったけれど、可愛くなったことによって、言葉に説得力が備わったというか、きちんと人生を偽りなく見ている知性の高い子と評価したくなった。

顔面の影響力の前では、どんな要素も縮こまってしまう

 まず見た目から第一印象を得て、それをベースに、その者がどんな人間であるかを知って行くのがスタンダードな流れであるため、どうしたって、「暗そうな子が○○している」「ブスな子が○○している」「ジメジメした子が○○している」といったように、行動や中身を評価する際にも、顔面の圧力からはそう易々と逃れられない。

「中身のある人」という評価自体が主観的なものだから、まったく同じ行動をしても、顔が違うだけで周囲の人が抱く感想は、まるきり違う。

 思い返せば田嶋が、『誰に見られても良いように心を磨いても、外側がドブスだと、誰も入店してこないから、中身なんて見てくれないよ』と泣き言を放っていたことがあった。
 この言葉が今になって、僕の心に突き刺さり始めた。

 ぐうの音も出ない真理の言葉であるし、肯定的に田嶋を見ていた僕ですら、実はブスという強大な要素に振り回されていたせいで、真意を汲み取ったり、ありのままの性格特性を見抜くことが一切出来ていなかった。

世の中のドブスの大半は、誤った点数を付けられている

 だから彼女たちが愚痴を散々に吐き散らしたとしても、それは卑屈な泣き喚きなのではなく、考え抜いた末の事実の提示なのかもしれない。

 田嶋が整形をして可愛くなったことで、「中身がない論争」の残酷さ、無責任さについて、臓腑を抉られるような強さで考えさせられた。

 たとえばプロゲーマーって職業があって、格ゲーだとかFPSだとか種類はあるが、頂点を目指す争いになってくると、0.01秒を気にする繊細さが必要になってくる。
 相当な才能と努力が必要とされる訳だが、前提知識のないゲーム嫌いの人が彼らを見れば、「中身がない」と判断してしまうだろう。

 プロゲーマーを嫌いな人よりも、ドブスを嫌いな人の方が多いのは調査するまでもないことであるし、つまりドブスは、この世で最も中身を見て貰えない存在なのではないか?

 この疑問に答えるのが先に挙げた、『誰に見られても良いように心を磨いても、外側がドブスだと、誰も入店してこないから、中身なんて見てくれないよ』という田嶋の発言である。

 ゆえにドブスは、人間社会における究極の被害者なのだ。

整形成功者・田嶋の自己主張

整形希望者には、ブスの履歴書を書かせよ

 整形外科では、整形に関する同意書を書かされるようだが、田嶋はそれだけじゃ足りないと語っていた。

「ブスの履歴書が必要。どれだけブスとして苦労した人生を歩んできたか、ブスの来歴を直筆で書いて提出させた方が絶対良いって。それを専門のスタッフがしっかり読み込んで、ブスの状況に合わせて大胆な値引きをしたり、カウンセリングの回数を増やしたりするべきだよ」

 もちろん自己主張が下手な者もいるから、片手落ちになるリスクもあるけれど、屈辱的な気持ちも含めて吐露した上で、最終的に整形に踏み切るかを決めた方が良いのかもしれない。

「最近ブスって少なくない? 可愛い子が増えたと思う」というふざけた話について

「「化粧技術の進歩ゆえかな?」と男は何も分かっちゃいないセリフを放つけれど、それは、ブスという生物が見飽きた存在になったから、インパクトがなくて男の脳に記憶されにくくなったのと、虐げられているブスはあまり外出しないからなんだよ。ブス時代のわたしのように……。ていうか全ての人類を引っ張り出して、横並びにしたら、奇怪なブスは今だっていくらでもいるけど? ブスが絶滅したみたいに思ってんじゃねーよ」

「ブスってのはね、精神的な保健所にぶち込まれて、心ない社会圧力という猛毒を吸い込んで生きているんだよ」

 田嶋は憤慨していた。

「でもキミは心が美しいから大丈夫」じゃねぇよボケ

「ブス=性格もブスっていう前提で考えてるから、そんな言葉出て来るんだろうが。
 わたしが石原さとみだったら、性格の話題なんて出さねぇだろ?
「可愛いぃい」「ヤバいぃぃ」「すごいぃぃ」
 こんな顔面評価だけして、ちゃんちゃかちゃんのハッピーエンドだろうよ。
 わたしみたいなドブスは、性格と肌しか褒められねぇんだよ。
 ブスがラブソングを歌っても、どれもこれも失恋歌にしか聞こえねぇ。
 過去の成果を口にしても、狡猾なブスとしか評されねぇ。
 どうしろってんだよ」

 このように灼熱の憎悪を吐き散らしていた田嶋だが、整形手術に成功して可愛くなった今、「毎日楽しい」と口にするようになった。

 お目々ぱっちりだし、鼻筋が通っているし、なによりも随分と幸せそうだ。

 かわいいは正義。

*1:キレイならいいのか――ビューティ・バイアス デボラ・L・ロード (著), 栗原 泉 (翻訳)