すべての国民に一律で生活費を支給するベーシックインカム(以下BIで統一)は、『持つ者がますます輝き、持たざる者はとことん腐ってしまう』制度であるという結論に至った。
おそらく、軽犯罪は減るが、通り魔やテロリズムなど重犯罪は増えるだろう。
承認欲求ベースの勝敗・格差が明確になるのに加えて、自由時間が悪意の形成を助長するからだ。
少なくとも僕は、腐った。疲れた。
人間を辞めたくてしょうがなくなった。
生活保護受給者が、その境遇から抜けられなくなるメカニズムを肌身で感じられた気さえする。
持たざる者にとってのBIとは、「ゆとりのある終身刑」だとすら思った。
以上、『BI男子歴3年』の負け犬ピピピが所感をふわっと述べさせて頂きました。
月額10万円、家庭内ベーシックインカムの内情あれこれ
家庭内BI-月額10万円の内訳
家賃 4万円
光熱費 1~3万円
スマホ 1万円
光回線 1万円
交通費 1.5万円
小遣い 3~5万円
月の平均支給額は、約12万円。
毎月20日、現金手渡しによる支給。
資金の出所は、父親の経営コンサル会社。
繁忙期などに仕事を手伝った場合は、別途手当が支給される。
僕がこの世でいちばん嫌いな数学という概念を、これでもかと用いる業務なので吐き気を伴う。
10万円を下回ることはない。
少なくとも15年以上は、継続的に頂戴できそうである。
家庭内BIが導入された理由
一言で書くならば、僕が社会不適合者のクズだからだ。
F欄大学3日で除籍処分、引きこもりニート歴4年、家賃滞納、3桁の借金、退去時費用が用意できず夜逃げ、仕送り停止でネカフェ難民、ことごとく会社を飛ぶなど、愚かな問題をいくつも勃発させてきた。
ADHDなのかもしれない。幼い頃、多動で問題視され、三者面談がうんざりするほど行われていた。
「こいつを野放しにしておくと何をやらかすか分からない。対策を打たねば」と、親族一同に強く思われている。
それが家庭内BIのはじまりである。
負け犬である僕の履歴書
18歳
大学除籍処分
釣具屋バイト(7ヶ月間)
19歳
単身上京
高円寺北口の3万円アパート
人力舎の芸人養成所スクールJCA入学(自腹で60万円を支払い3ヶ月で挫折)
20歳~24歳
引きこもりニート生活
親からの仕送り(生活費+10~40万円)
キャバクラやその類いの店にハマり込んで200万円ほど散財
自己啓発中毒になり、本やCD・DVDを大量購入
日がな一日アニメ・ニコ生漬け
24歳後半
父親の勤め先で問題勃発
仕送り急停止の人災に見舞われる
自宅アパートから強制退去命令を食らう
身分証不要の違法建築物件やゲストハウスを転々とする生活へ突入
クレジットカードやサラ金に手を出し始める(父親の前年までの年収が2000万円あったため、どこも審査がすんなり通った)
借金総額100万円を超える
ホストクラブで働きはじめる(まったく売れない)
情緒不安定になり、バイトしては飛ぶを繰り返す
毎日欠かさず、金縛りに遭う
好きな子にフラれ、クレモナロープとぶら下がり健康器具を注文
親に「縁を切ろう」と連絡
人生を終えようとしたら、街中のサンタ人形が、母親の顔に見えて涙が止まらなくなる
一からやり直すため、故郷に帰還
借金をすべて親が肩代わりしてくれた
父親が開業
25歳
ナンパで人生初の彼女が出来る ストリートナンパの虜となり、ストナンのサークルに入る
テレフォンアポインターの会社を転々とする
26歳
再上京
WEBマーケティング会社へ入社
営業の仕事。上司に気に入られ、確度の高いリストを裏で回して貰っていたため、月収100万円くらい稼げた
その後、統括変更に伴う社内体制の一新で、マネジメントスキル重視の評価システムとなり、そんなものを持ち合わせていない僕はお払い箱に
泣く泣く退社
27歳
はてなブログ開設
投稿記事が次々と炎上
心を痛め、リボ払いに手を染める
28歳~31歳
リボ払いの借金(50万円)を親が肩代わりしてくれた
家庭内ベーシックインカム発動(二度と借金しないことを条件に)
ゲーム実況にハマる
社内預金50万円ほどを投じて、バーチャルYouTuberを作成
防音室導入
全財産がなくなる
人生に疲れ果てる←今ココ
BIによって発生する暇な時間で精神が壊れてゆく
上記のようにVtuberデビューしたり、アニメやラノベなど人様のコンテンツに没入したりして、なるだけ現実を直視せず生き続けないとメンタルが持たねぇ……。
僕の履歴書にざっと目を通して貰えたら分かるように、これはただお金を浪費し、ただすっ転んだ黒歴史でしかない。
まともなキャリアを積むこともなく、堕落だけを積み上げて来たものだから、これから先の未来はより過酷な落ちぶれ方をしてゆくのだろう。
こういうクズ人間が、いざ一生モノの暇を手にすると、日がな一日、後悔と屈辱が脳内をぐるんぐるんと駆け回る。
稼ぐ能力というか、自活できる胆力を持った人間であればBIがより豊かになるための材料になるのだろうが、僕のように家庭内BIがもしものことあって消えたらいつホームレスになるか分からないダメ人間だと、心がざわついてしょうがねぇ……。
そして現実はそんな甘っちょろくは終わっちゃくれない。
ここから僕は次第に老いてゆく。
最低限の生存を許されているだけの、俗にいうキモくて金のないおっさんになるであろう確率が少なく見積もっても80%はある。
「ただ生きる」ことの絶望的辛さを、本当の意味で「ただ生きる」ということをやったことがない人間に説明するのは難しい。
僕はこれから「ただ生きる」ことになるのだ。
生き甲斐や喜び、それから表情までも失われて、「ただ存在する」といったニュアンスに近い「ただ生きる」を実行するしかなくなる訳である。
家庭内BIの中で、僕は「ただ生きる」のだ……。
最低限の金で飼われるノラ犬みたいなもんだ。
せいぜいネットで負け犬の遠吠えを上げることしか出来ねぇ……。
マジで人生がつれぇ
平均年収の話がつれぇ。
勝ち組だらけの親戚一同の集まりがつれぇ。
「華やかな未来の話」を聞かされるのがつれぇ。
親族に年収1000万超えが6人もいやがってつれぇ。
みんな結婚しててつれぇ。
負け犬の横でバブルが生じてつれぇ。
僕は、ブルジョワの腹部で蠢くクソムシだぜ。
つれぇつれぇつれぇ。まじつれぇ。
これが一生引き続く。ガチでつれぇ。
顔面が引きつるから笑えねぇ。
希望がねぇ。一筋の光すらねぇ。
「努力して来なかったおめぇが悪ぃ」と地獄送りの言葉で正論袋叩きの刑に処されるのがつれぇ。
ご馳走の味もなんも感じねぇ。
パチモンの笑みで誤魔化すテクニックもねぇ。
つれぇつれぇ。
いくらこんなこと書いても好転しねぇってのがつれぇ。
ピピピ家の血筋で、僕のような負け組が現れたのは前代未聞という理不尽な事実がつくづくつれぇ。
まじつれぇ。劣悪遺伝子で生きる日々から途中棄権してぇ。
どうする、どうしよう、どうしたらいい。
しどろもどろの自問自答がつれぇ。
人生オワタ。
オタマジャクシからやり直してぇ。
これが虚構作品じゃねぇのがつれぇ。
ピピピが嘘書いてるって言われてぇ。ピピピが創作してるって言われてぇ。ピピピがコタツ記事書いてるって言われてぇ。
悪夢が覚めねぇ。涙も出ねぇ。
これが一生続くんだ。
いつまでもいつまでも。
四苦八苦の現状が幾ばくも連なって、つれぇの言葉が回る回る、目が回ってふらつく、焦点合わずの前後不覚がつれぇ。
神経衰弱の寸前でもつれぇつれぇ口にする僕の運命が至極つれぇ。
これからもするしかねぇのか、生き地獄の実況中継。
おっとー、ピピピさん! 今日も絶望満塁ホームラン!
ゲームセット――
人生ってエグいよな
こういった記事を書かないでも自分を保てるような、ホワイト企業の社畜生活を送りたかった。
気付くのが早いか遅いかだけで、50年60年70年という一生の楽しみ、喜び、幸せが、大方決定付けられてしまう。
これからのピピピピピの爽やかな日記帳は、取り返しが付かなくなったボケナスの転落ドキュメントだ。
他人事のごとく、耐えきれなくなってきた人生を書き綴ってゆく他ない。
この1年、月に1回、人生の疲れに起因する軽い風邪を引き、2月に1回、絶望由来の大きな風邪をこじらせている。
ここ数日も、38度後半の高熱で寝込んでしまった。
でも寝込もうと寝込まなかろうと、「ただ生きる」僕にとってはどちらでも変わりがないという感想が浮かんでくる訳で、そんな厭世的なものの見方が年々強まっている自分の思考回路に残念無念だなーと思う。
おそらく10年後の今日も、人生疲れた、そんな記事を書いている。
20年後も30年後も。
棺がベッドになるその日まで。
繰り返すが、人生ってエグいよな。
だから、プロテインとアミノ酸を買った。鶏の胸肉とササミを買った。マルチビタミンと亜鉛を買った。ファイティングロードの筋トレ器具を買った。
たっぷり寝て、がっつり運動して、ぐんぐん陽光を浴びて、自分を騙し騙し、逃げ切るように寿命が尽きるその日まで頑張る消耗ゲームだ。
今日も、このクソゲー、頑張る。
ゴミ置き場の小汚い人形を、ハンカチで拭いてやるような人生を――